関数電卓の最近のブログ記事

関数電卓選定

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 ほぼ電卓マニアに近くなってきました(笑)。

HP35s
 HP35s

 現在、主として利用中の電卓がこれ。元はといえば居酒屋ガレージさんで放出品の電卓に外れたことからヤケ買いしたもの。一気にRPN(逆ポーランド記法)の暗黒面に引きずり込まれてしまい、いまだに脱出はままならない状態ですが、これはこれで気持ちよい状態でも有ります。ははは。

 そこらあたりで出てきていたのが居酒屋ガレージさんの愛用電卓のリプレース問題です。主な要求仕様が以下のようなものだと理解しています。

要求仕様
  • 1/x(逆数)がワンキーで計算できる
  • x2がワンキーで計算できる
  • √(平方根)がワンキーで計算できる
  • LOG10がワンキーで計算できる
  • LN(LOGe)がワンキーで計算できる
  • 指数部3桁区切りの表記モード(ENGモード)があり、ワンタッチで移行できる
 これらの仕様、非常に良くわかります。技術計算をしているとこの手の演算が非常に多いのです。LC回路の共振周波数は以下の式で求められますが、これは√と1/xがワンキーで無いと、数値を変えて再計算するような場合、はなはだ面倒なのです。
\[f=\frac{\omega}{2\pi}=\frac{1}{2 \pi \sqrt{ LC }}\]
LC回路の共振周波数

 ということで、まず手持ちの関数電卓になったHP35sのALGモード(数式通り入力)で試してもらったのですが、LOG10やLNが2nd/3rdキーに割り当てられているのと、一部の演算が一般的な電卓と操作がちょっと違うとの事で断念。

 そこで通販でさらにHPの関数電卓を購入しました。HP SmartCalc 300sです。
 そもそもは事務仕事中に使う普通のショボイ電卓が欲しかっただけなのです。HP EasyCalc 100というのがネタ的に面白かったので、いざ購入しようとすると抱き合わせ販売中でHP SmartCalc 300sを買うとEasyCalc 100がオマケで付いてくるという変なアメリカ的セール。これは主客転倒してしまって、そのままSmartCalc 300sを購入。実はEasyCalc 100だけが欲しいのに(笑)。

HP SmartCalc 300s
 HP SmartCalc 300s
 グラフィカルディスプレイの数式どおり入力である関数電卓
HP EasyCalc 100
 HP EasyCalc 100
 なにげに12桁の計算機である

 しかしながら、どうもしっくりこなかったとの事。
 よく使用するキーが並んでいないのも一因かと思います。

EasyCalc 300s KEY
 HP EasyCalc 300s の関数キー(一部)

 それでは、と、いろいろと調べまして真打を探してきました。日本の電卓はすべて不合格なので、海外メーカーの電卓をピックアップします。

TI-30XA
 TEXAS INSTRUMENTS TI-30XA

 テキサスインスルメンツの電卓は日本ではたぶん店頭売りが無いはずです。
 日本では大変マイナーながらこのキーアサインは秀逸です。

  • π
  • 1/x
  • x2
  • LOG10
  • LN(LOGe
 のすべてのキーがワンアクションに割り当てられています。 惜しむらくは指数表示の3桁区切りであるENGモードが2ndファンクションに割り当てられている点でしょうか。電卓で技術系の計算を行うエンジニアにとっては泣いて喜びそうなキー配置なのです(笑)。

TI-30XA キー
 キー配置(一部)

 値数クリア(C)の位置が多少、心残りがありますが、ほぼ完璧です。技術系の計算には非常に使いやすいキー配置に仕上がっており、居酒屋ガレージ店主さんもこれで納得して頂きました。
 括弧を含めた数式どおり入力の関数電卓としては日本ではマイナーかもしれませんが、日本の電卓メーカーもこのキー配置は見習って欲しいものです。

 居酒屋ガレージさんで関数電卓贈呈の抽選に外れたこともあり、買っちゃいました。ダメですね、誘惑に負けました。

HP35s パッケージ
 HP35s
 到着時のブリスターパッケージ

 関数電卓を買うのは、遥か遠い遠い昔の学生時代にCASIOのグラフ表示関数電卓fx9000G以来です。
 それでも当時買った電卓よりはこちらの方が安い(ディスプレイが違うから当たり前か)のは技術の進歩か価格破壊か。開発担当者の気持ちになってみると販売価格が下がっているのはなんとも言えない所でしょうか。

 パッケージを開封しますと、電卓本体の他にCR2032が2個、保護ハードケースと分厚いマニュアルが添付されています。
 いくら科学計算の電卓とはいえ厚みが1.7cmもあります。もちろん、中身は文字がびっしり。しかも英文(涙)。もっとも和文の翻訳が日本の販売元であるジュライですすめられており、途中までの和文翻訳マニュアルをウェブから入手できます。
 まずは電源を入れるために本体背面のスライドカバーを外して付属の電池を装着します。

HP35s 電池を入れる
 電池を入れる
 付属の電池はCR2032x2

 付属の電池がPanasonic製のリチウム電池。工場が燃える前のものでしょうか...。
 いや、コイン電池は門真では製造していないかも。

 電池はけっこうきつくハマります。脱落防止なのでしょう。取り外す時は電池の左上にあるホルダーの切り欠きに棒状のものを挿入して起こし上げなければ外れません。電池を入れたらしっかりとスライドカバーを取り付けます。
 ついでに付属のハードカバーケースに入れてしまいました。

HP35s ハードカバーケース
 ハードカバーケース
 結構固めで丈夫そうだがゴツい

HP35s ディスプレイ
 初期電源入直後のディスプレイ
 上段が直近のスタックの値で下段が入力値もしくは計算結果
 表示は固定小数点の小数点以下4桁の状態
 さすがにオリジナルのLED表示ではなくLCDになっている

 本体左下にあるCのキーを押して電源を入れます。
 初めて電源を入れたり、イニシャルリセット直後の初期設定がMODE 5の逆ポーランド記法(RPN)になっているのはさすがというか、拘りというか。HPならではでしょう(笑)。

 さて、電卓としては仮数部12桁、指数部3桁(±499まで)の電卓です。
 基数を10進(DEC)、16進(HEX)、8進(OCT)と2進(BIN)にすることができますので、論理計算のときに大変便利です。このbase-nのモードでは最大36ビットの数値を扱うことができます。HP35sの数値の内部表現が36ビットなのでしょう。8進が使えるのはUNIX屋さんには大変ありがたいのです。

 キーボードを押すと旧機とは逆な方向が沈み込みます。昔のHP35はキーの切り欠きのある手前が沈み込んだのですが、どうもこのキーは奥側が沈み込むようになっています。もちろんイコール(=)などというキーはありませんので、通常の電卓しか使った事の無いヒトは面食らいます。計算の結果を表示させるのはどれか判らないからです(笑)。
 英文マニュアルと首っ引きに使い方を調べましたが、プログラムできる関数電卓という基本的な部分は一般の関数電卓とほぼ同じでしょう。有効桁数が10桁ではなく12桁ある所がちょっと違います。
 使い始めると関数などのキー配置が絶妙で大変使い易く感じます。

キーボードの関数部分
 キーボードの関数部分
 統計機能や順列・組み合わせなどはテンキー側に割り当て
 イコール(=)が見えるがこれは代入のコマンド

 いままで計算が面倒くさくてしていなかった事がたくさんあります。
 この電卓が来たからと言って宿題がどんどん進める事ができるかというと、上の文章が言い訳めいているのでそうでもないかと。

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