電子工作の最近のブログ記事

 本来は鉄道や連続運転装置などで使うものです。

デッドマンスイッチ基板
 デッドマンスイッチ(製作中)

 半田ごての切り忘れ、けっこうしてしまいがちです(実際何度もしました:苦笑)。
 15Wほどの半田ごてがちゃんとこて台に固定されていれば問題は無いのですが、何かの拍子に作業台の上に落ちたり異常過熱しないとも限りません。電源切り忘れは思わぬ事故に至る危険性が潜んでいるのです。
 という事で放置しておくと一定時間で電源が切れるタイマーを作る事にしました。
 オフタイマーと呼んでも良いのですが、動作がちょっと違うのであえてデッドマンスイッチとしてみました。元々は産業機械等で作業者が継続して操作を行うか監視をしているような場合で、作業者が運転中に予期しない状況(心神喪失や死亡するなど)になった場合、スイッチ等の正常操作ができなくなると運転を中止するためのものを指します。
 鉄道等では運転ハンドルのグリップに付けられていて、グリップのスイッチが握られない状態になったり放されたりすると自動停止するようになっていたりします。

 運転中に「生きてるよ!」とボタンを押すとオンの状態のままタイマーをリセットし、カウントダウンが再度最初から始まる仕掛けなので、単純なオフタイマーと違ってリセット動作でカウントゼロのオフ状態になるわけではありません。

 今回は手持ちでそこそこ在庫があったPIC16F628Aを使ってみました。プログラムメモリが倍の容量あるPIC16F648Aも手持ちにあったのですが、そんなに大きいプログラムにもなりそうに無いので2kワードのデバイスとしました。
 I/Oピンの数がギリギリなのでATtiny2313の方が良かったも知れませんが、開発環境であるMPLAB XとCコンパイラであるXC8がどんなコードを吐き出すかのテストも含めてAVRではなく、あえてPICを選定してみました。もっともいまでは会社が併合してAlmelは無くなりMicrochipに統合されてしまっていますのでどちらのMPUを使っても同じ開発環境であるMPLAB Xが使えるようになっています。

 今回の製作で一番悩んだのはロジック系のための電源です。
 制御対象はAC100Vですのでそこからなんらかを使ってDC5Vを作り出さなければなりません。一番手っ取り早いのがAC-DCスイッチング電源ですが、有名メーカー製のモジュールタイプやユニットタイプではこんな回路規模にはなにやら大げさ過ぎます。かといって単純に整流しただけの後段にツェナーダイオードでは表示素子のLEDの駆動にはちょっと電源容量が足りません。
 そこでネットで見つけた超小型のAC-DCスイッチングコンバーターを使ってみました。オンボードで実装するのはちょっと無茶かも知れませんが、回路を見るとそこそこちゃんとしているので、燃えたりする心配は少ないかと思います。この小さなボードで700mA取り出せる様ですが、今回の回路ではそこまでの消費電流はないので余裕でしょう。
 コンデンサの実装がぞんざいな感じなのは中華製ならではではないかと。

 プログラム的にはオーソドックスです。タイマー・カウンターで時間管理をし、ダイナミック点灯で7セグメントLEDを点灯させ、スイッチをスキャンして入力を得るという何の奇抜な手法はとっていません。残り時間が迫ると時報のように音を鳴らすのも考え中。
 回路的にはちょっと工夫した点としてはLED点灯制御をしているトランジスタは抵抗内蔵タイプで部品点数を減らしたのと、2桁表示に桁選択を2ポート使用するのではなく1ポートで制御し、0または1で必ずどちらか一方の桁が点灯するようにし制御線を1本減らしました。制御線の先でNPNタイプとPNPタイプへ並列にベースが接続してあります。全部の桁をオフにできませんがプログラム側で点灯セグメントを全部消灯する事で対応します。

 だいたいの部品配置が決められましたのであとは配線〜筐体加工の行程へと進めます。
 と宣言しておいて心苦しいのが、なかなか手を動かしている時間が少ないのが昨今の状況。管制装置は必要なので製作を進めたいのですが、筐体加工にかける時間をなかなか融通できません。

 前回のオーディオキット製作体験会の時間にさくっと。

74HCU04ヘッドホンアンプ
 74HCU04ヘッドホンアンプ

 着せ替えヘッドホンアンプとして製作した筐体に基板を作って組み込みました。

 元記事は昔にトランジスタ技術誌(2006年6月号)に掲載されたロジックICである74HCU04をアナログ的動作でパワーアンプ化してしまう記事。
 HCU04はバッファがありませんので、MOS-FETのコンプリメンタリー回路部分が裸になっています。このコンプリメンターリーペアの部分を論理回路として使うのではなくPPアンプとしてリニア回路の動作をさせる事が可能です。
 いわゆるロジックICでアナログアンプができてしまうという、当時の衝撃はかなりのインパクトがあったようで、追実験をされたり製作される方が多数。実際に現在のHCU04データシートにはアンプとしてのアプリケーション例の記載がありますし、相当前からこのアプリケーションは利用されていたようです。

 お気づきの方がいらっしゃるかもしれませんが、このヘッドホンアンプは秋月電子通商から発売されている「74HCU04使用 ヘッドホンアンプキット AKI.HPA-7404」を参考に製作させて頂きました。

74HCU04回路部分
 回路部分

 回路や定数は同じですが、部品にはさすがに色をつけて多少のオーディオ向けアレンジをしています。
 出力のカップリングコンデンサは東信のJovial、電源のデカップリングコンデンサにはニチコンの導電性高分子固体電解コンデンサの2.5V/1,500μF、抵抗類はすべてニッコームの金属皮膜抵抗であるRP-24で組み上げました。
 元の回路特性がそれほど良く無いかもしれない事を考えると贅沢すぎる部品構成かもしれません。普通に炭素皮膜抵抗とアルミ電解コンデンサで十分だったかも(笑)。

 回路的には74HCU04でアナログ動作をさせているのですが、一般的な片電源動作ではなく、両電源動作となっている点が特徴的です。

 実際の音ですが、鳴ります(笑)。ちゃんとした音が出てくるのが驚きと言えます。
 ドライバユニットによりかなり音の差が出てしまうので、一概に良いだの悪いだの言える物では無さそうで、強いて言えば比較的低音が強調された傾向が強いと言えます。2段重ねにするとだいぶ改善されるようですが、そこまでする気力は無く、しばらく聴いてみようかと思います。

 途中まで進んでいたYAHAアンプ、やっと完成しました。

YAHA Amp
 YAHA Amp
 12AU7/5532DD

 前段に真空管の12AU7を、後段にオペアンプの5532DDを使ったYAHA(Yet Another Hybrid Amp)アンプのヘッドホンアンプが完成しました。

 オリジナルのYAHAアンプはECC88(6JD7)ですが、入手が容易な12AU7で組んでいます。使用しているのはデジットで販売していた中国管。値段が手頃なのか12AU7や12AX7を使用している機器にこの球を見る事が多くなりました。
 電源は12Vの外部電源(DCジャック入力)で供給。今回のテストはスイッチングACアダプタを使用しましたが特にノイズが聴こえるなどの問題は生じませんでした。

 出力のヘッドホン端子は6.3φ。モニター用ヘッドホン等では3.5φでなく6.5φのものがあるからです。普通は写真のように3.5φ→6.3φ変換プラグを使って手持ちヘッドホンを利用する事になります(ちなみに6.3φは正確には6.35φのはずで、1/4インチが正しい規格のはずです)。

 先日のオーディオキット製作体験会で完成したので、皆さんに試聴してもらいましたが、どなたからも高評価をいただきました。12Vで真空管を動かすという点と使用部品が極端に少なく手軽に作れるという点も良かったようです。
 残念ながら八ヶ岳クラブからYAHAアンプのキットがリリースされてしまったので、デジットオリジナルのYAHAアンプはキット化の予定は無いとの事。

 作りかけのまま放置していた物があり、参加させて頂きました。

製作体験会会場
 製作体験会会場
 共立電子産業 本社1Fセミナー室

会場の様子
 会場の様子

 自宅の工作部屋が運び込んだ物であふれかえり、まともに使えない状態なので意を決して完成すべく参加。

デジタルオーディオユニット
 デジタルオーディオユニット

 やはり定番のフルデジタルアンプを製作される方が必ずいらっしゃいます。人気キットですね。また、デジタルオーディオ独立実験基板を組み合わせて製作される方も。こちらも併せて人気の製作メニューです。今回、持ち込んでこられた方はノイトリックのUSBコネクタを使い、筐体内のUSB接続を高級オーディオ用USBケーブルで結線されるという凝り様。

電流帰還アンプ
 製作途中の電流帰還アンプ
 ビット・トレード・ワンのAD00026キット

 他に最近発売になったビット・トレード・ワンの電流帰還アンプキットの製作をされる方が複数。一般的な電圧帰還型(VFB)アンプと違い、電流帰還型(CFB)アンプはスピーカーのインピーダンス変動に左右されない手法で、原音の高忠実度(Hi-Fi)再生に有利と言われています。もっとも、スピーカー側は電圧駆動で動く事が前提ですので想定している駆動方法と異なるので結果的に良い音(Hi-Fi)になるのかどうかはよく解りません。

PAM8202
 PAM8202使用ヘッドホンアンプ

 さらに今回多かったのがヘッドホンアンプ関連(私もその一員ですが)の製作をされる方がかなりの数に上がっています。ハイエンドヘッドホンアンプ(改)で最初からグレードアップ部品で組まれる方、PAM8202(2W+2W)をユニバーサル基板にディスクリートで組上げてプラスチック筐体に組み込んでポータブルヘッドホンアンプにする方などなど。

すてきな筐体のスピーカ
 すてきな筐体のスピーカ

 参加されているお客さんが持ってきてくれたのがこれ。
 ウッディな雰囲気満載のスピーカーセットにオーディオ機器の数々。特にスピーカーはギターのボディを模した装飾がされていて、どれだけの手間がかかったのか想像できません。

今月のフライング
 今月のフライング

 今月の先行して展示されていたのがこちら(試聴もさせていただきました)。ベースはステレオプリアンプ30倍基板をベースに、コンデンサと抵抗をハイグレード品で実装。9V電池でそのままヘッドホンアンプとして使える改造キット。抵抗はすべてDALEに、電解コンデンサは音響用105℃品に、パスコンは15μFの積層セラミックになっています。
 実装されていたオペアンプはMUSES 8920でした。
 この30倍アンプ基板ベースの改造ヘッドホンアンプはキット化して近々発売されるそうです。

 今回もすばらしいスタッフの方々のサポートおよび会場の設営・準備と後片付け・清掃まで大変お世話になりました。
 この場を借りて御礼申し上げます。

 私用の雑事で謀殺されていたため、しばらく参加できずでした。

製作体験会会場
 製作体験会会場
 共立電子産業 本社1F セミナー室

 当日、私が駆け込んだ時は雨が降り始めたところ。天候が不順な事もあったのか参加者は少なめでしたが、その分、濃い製作会となったようです。

製作会の様子
 製作会の様子

 けっこう大作となっているヘッドホンアンプを作り続けていらっしゃる方、ディレイエフェクターを作っていらっしゃる方(マイギター持ち込み)、以前のBTLアンプを製作していた小学生が引き続き筐体への組み込み・加工やモノラルアンプを2つにしてステレオ対応にしていたりなど意欲的に製作。小さなお子様向けにボタンを押すといろんな音が出る楽しいおもちゃ箱を作成されている方もいらっしゃいます。
 寡黙にして続々と製作を続けている方は、ついにYAHAアンプの製作に入り、2日目で実働し、特性測定や回路定数の調整等をスタッフの方々と一緒に行っていました。

 私はというと、以前のYAHAアンプの製作が中断していたため、筐体パネルの加工とパネル部品の装着、筐体内配線とコネクタピンの取り付け等、ほぼ内職状態。しかも完成してもメイン基板と真空管を自宅に忘れてきてしまい、現場で実働確認ができないという惨めな状態でした。
 帰宅後にコネクタハウジングをとりつけて、筐体内配線を完成させましたので、次回の参加で動作試験にこぎ着ける心づもりです。

 1日だけの参加ではありましたが、スタッフの皆様の献身的なサポートには敬服します。また、会場の設営と撤収・清掃などおんぶにだっこで、頭の下がる思いです。
 この場を借りて改めて御礼申し上げます。

YAHAアンプ

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 ついに色物に手をつけてしまいました。

YAHAアンプ基板
 YAHAアンプ基板

 巷で噂の真空管とオペアンプのハイブリッド・ヘッドフォンアンプのYAHAアンプ(Yet Another Hybrid Amp)を作り始めました。完全に色物だと思っています(爆)。エレキジャック誌でも特集が組まれたこともあり、いま注目のヘッドホンアンプかもしれません。

 真空管を使いたいが、数十V以上の高いプレート電圧の電源が必要だとか、それ用の電源トランスが高価だとか、高圧部分で感電する恐れが有るとか、アンプ出力にもこれまた高価な出力トランスが必要であるなど、製作に取り組むにはなかなか敷居の高い真空管ですが、このYAHAアンプは真空管の常識をぶっ壊して12Vで駆動させます。
 きっかけとなったオリジナルの記事では小信号用の双3極管であるECC88を使用していますが、今回は手近に入手できたチャイナ球の12AU7を使用しました(デジットで購入)。入手の機会があればElectro Harmonixの球も試してみたいところ。12AU7は12AX7と同様に、かなり今でも使われているようなので入手性も高く、いろいろ取り替えて遊べるかもしれません。

 YAHAアンプの回路はこちらのサイトの回路を使わせて頂きました。
 真空管のタイトソケットと基板の間はソケットごと半田ごてを使わずとも外せるようにヘッダピンと2550コネクタで結線。それほど電流も流れないので大丈夫でしょう。
 ICソケットも今回は「まず作ってみる」が目的だったのでいつもの丸ピンタイプではなくリーフスプリングタイプです。ケチってます(笑)。
 その他の部品もぜんぜん普通の部品ばかり。入力のカップリング・コンデンサは実装スペースを小さくしたかったのでECQVを使用しましたがそれでもWIMAなどに比べると充分安価ですし、その他の抵抗類は普通の金属皮膜抵抗です。出力のカップリングコンデンサも普通にNichiconの85℃品を使おうと思ったのですがさすがにオーディオ向けにしました。電源のデカップリングコンデンサも寿命を考慮して105℃品しているぐらいで点数も少ないのでちょっと贅沢をしましたがオーディオ向け部品ではあるものの、いわゆるオーディオ向け高級部品とは言えないものばかりで構成。
 一番高い部品がケースと真空管です(笑)。

YAHAアンプケース入り
 ケースに組んでみた

 とりあえず訳ありケースの上側の基板レールに入れて裏側から真空管を実装。ケーストップに真空管をシンボリックに出して見せるようにしましたが、中身は上記の基板だけですのでケース内はスカスカです。12Vのトランス電源かスイッチング電源を放り込んでしまえるのではないかと目論んでいますが、とりあえず動作確認をするためにはDCジャックで外部から12Vを給電する状態で一度パネルを作る予定です。

 先日のデジタルオーディオ製作体験会でやっと完成。

+0dbアンプ基板
 +0dbアンプ基板
 オペアンプ未実装

 基板部分は完成していたのですが、筐体への組み込みと外部接続の結線コネクタが未作業だったため、製作体験会の時間を利用させて頂いて完成させました。

 完全なボルテージフォロアではなく、入力の負荷抵抗と入出力の保護抵抗も入っていますが、増幅度は0dBです。抵抗はニッコームのプレート抵抗で、基板上の電源のデカップリングにJovial 220μF/25Vを入れました。

ケース内部
 ケース内部
 仮実装でのオペアンプはOPA2134PA

 ケースへは例によってサブシャーシの1mm厚アルミ版を使い筐体に直接穴を開けずに済む様にしています。
 入力部分はシールド線を使いましたが、出力はBELDEN 8503撚り線をツイストして接続しています。基板とのコネクタは2550タイプで接続。基板上がピンヘッダ端子でOKなのでラクチンですが、メスコネクタを作る手間は日圧のXHとさほど変わりません。

セレクタ兼用プリアンプ外観
 セレクタ兼用プリアンプ外観

 とりあえず組み上がりましたが、ちょっとパネル部分に不満が残っていてやっぱり電源スイッチがドーンと真ん中で目立ち過ぎなのでレイアウト変更をするかも。加えてやはり付属のパネルは薄くて頼りないので2mm厚のアルミ版と付け替える予定。

 切り替えスイッチは3回路4接点のノンショーティングのロータリースイッチで、L/R信号ラインと選択ラインを表示させるためのLED点灯ラインで3回路をフルに使用。
 後部パネルに3入力とフロントパネルに3.5φのミニジャックをつけて、iPodなどのポータブルオーディオからの入力にも対応させました。

 オペアンプにOPA2134PAを入れていますが、多分MUSES8820かMUSES8920に換装するかも。まだ試聴していないのでオペアンプの取り替えはそれからになります。

 まずは複数のソースを切り替えて使える環境ができましたので、現在のUSB-DACを含めて他の機器からの音を簡単に切り替えて出す事ができる環境になりました。

 ぜんぜん自宅で半田ごてに火を入れられていないので参加(苦笑)。

製作会場
 製作会場
 共立電子産業 本社1F セミナー室

会場の様子
 会場の様子

 始まりから少しずつ参加者が増え、午後からはほぼ満席の盛況な状態でした。
 今回は両日に渡ってフルデジタルオーディオアンプのキットを作られる方が多数いらっしゃいました。大人気のキットです。メイン基板は完成品なのですが、パネルへの部品類取り付けとそれらへのコネクタ結線のハンダづけなどがそこそこありますので、サクッと1時間で完成〜♪という事にはなりません。当然ですが、配線を間違うと正常動作しませんし、それなりに配線量も有りますので、本体基板完成とは言え、それなりに作りがいのあるキットなのです。もちろん実用的キットなので、使った後はそのままオーディオアンプとして使う事ができます。

 他にはFETアンプを2日がかりで作られる方(実際に1日では終わらせるのはかなり大変です)、デジタルオーディオ独立実験基板群を順次作り上げて行き、コツコツとシステムを組み上げる方のほかに、エフェクター基板をFERNANDESのアンプ・スピーカー内蔵ギターであるZO-3(ぞーさん)にディストーション基板と切り替えスイッチを組み込むという野心的な方、他社製キットを訳ありケースにデジットの電源キットとともに組み込む方等、今回はかなり多様な製作対象となっていました。

 女性の参加者の方でバックロードホーン・スピーカーシステムに加えてフルデジタルアンプをほぼ1日で組み上げてしまわれるという強者な方も。スピーカーボックスは接着剤乾燥のために2日参加とはなりますが、1日目でスピーカは組み立てがほぼ終わり、フルデジタルアンプも組み上がりで、2日目はチェックと持って帰るだけという状態のかなりハイペースで製作していらっしゃいました。

 最近のオーディオの流れとも言えますが、デジタル系オーディオの製作をされていらっしゃる方が大部分で、私の様にロートルなアナログオーディオを作る人は少数派です。

コンテナケース
 コンテナケースで組み込み

 今回の参加者の方の作例ですが、プラスチックのコンテナボックスをケース代わりに使われているのがアイデアものだと感心しました。穴だらけなのでネジの取り付けでも穴をわざわざ開ける必要も無く、側面の端子も既存の穴で取り付け。大幅に試作時の部品の固定が楽になります。またプラスチックなのでケースで短絡の心配も無し。
 ただし、弱点となるのもアクセス性の良すぎる所で、自宅で使用時に小さいお子さんがいらっしゃるとの事で、いじられてしまうため、通常のしっかりしたケースに入れる作業をされていました。

 毎度の事では有りますが、スタッフの方々の精力的なサポートには頭の下がる思いです。工具類の管理や展示を含めた資材類の陳列・撤収などかなりの手間がかかる上、加工エリアの金属カスの清掃等お世話になりっ放しです。この場を借りてお礼申し上げます。

 入力ソースの切り替えを行うのにセレクタ兼プリアンプを作り始めました。

電源ユニット
 電源基板(AC100V入力〜DC±15V出力)

 現在は以前に製作して常用中のUSB-DACからTA2020-20のパワーアンプへピア・ツー・ピアの接続だったのですが、手持ちの音源や他のソースからの音を切り替えて出したくなったため、入力セレクタ兼用のプリアンプを作り始めました。

 切り替えはオーディオ用のスイッチICを使っても良いのですが、そこは安易に機械式でノン・ショーティングのロータリースイッチを使用します。オーディオ向けの多入力スイッチのデバイスというのは以外と店頭取扱が無く、3入力以上のものはまず見かけません。2入力の切り替えならNJM2520が日本橋でも取扱がありますが3入力や4入力は見かけたことがありません。一応2入力のNJM2520を使ったコントロールアンプのプロジェクトがあるにはあるのですが、お恥ずかしい話でそちらは爆睡中。ちょっと別のアプローチで進めたいと思います。

 基本仕様は...
 ・ステレオ3〜4入力を切り替える事ができる事
 ・音量調整ができる事
 ・完全なパッシブタイプではなくバッファアンプ(0dB)を入れる
 とします。
 まあ、単純にバッファアンプの入ったボリューム付きセレクタというところです。
 ただし、バッファアンプのオペアンプは差し替えでできるようソケット実装します。MUSES系やらバイポーラ入力にJ-FET入力などいろいろ考えられますが、また取り替えて聴き比べし、お気に入りに落ち着くまで遊べそうです。

 まずはバッファアンプのオペアンプ向け±15V電源です。
 入力から18Vを出力のトランスで降圧、40V1Aのショットキーバリアダイオードでブリッジ整流し、2200μF/35Vで平滑して3端子レギュレータ(TA7805/TA79015)によって安定化したのち、出力側にさらに2200μF/25Vのコンデンサを付けました。今回の発振止めの0.1μFのコンデンサには積層セラミックではなく積層フィルムコンデンサ(ECQV)にしてみました。
 出力電圧は正・負とも3端子レギュレータの誤差の範囲に収まっています。
 残念ながらこの東芝製TO-220のフルモールドタイプ3端子レギュレータは生産中止品となってしまっています。フルモールドなので放熱器に取り付ける時にも金属製のネジを使ってもカラーなどを使用して絶縁を行わなくて良いので便利なのですが、時代は表面実装タイプかDC-DCコンバータを使うという事なのでしょうか。

セレクタ(仮組)
 ケース仮組

 訳ありケースで本当に入るのかと心配しながら、部品の干渉が無い様に電源ラインの配線とスイッチやボリューム類の位置決め、後部のパネルの加工などを先日のオーディオキット製作体験会で作業させていただきました。
 前面パネルにボリュームやロータリースイッチを直接取り付けるのではなく、後部にパネルを置いてオフセットさせて前面パネルに取り付けて、外から締め付けのナットが見えない様にします。

 入力ソースは後部に3回路、前面パネルに3.5φステレオジャックと合計4回路の切り替えをできるようにロータリースイッチは3回路4接点を使用。RCAジャックは実装面積が限られるためゴツいタイプではない小振りの絶縁型を使用しました。後部パネルは端子だらけです。
 3回路中の2回路で左右の信号ソースを切り替え、残り1回路でソースを示すLEDを点灯させる予定です。

 あとはバッファアンプ(ゲイン0dB)をどのようにするか...ですね。

 今回も参加させていただきました。デジット主催のオーディオキット製作体験会。

製作会場
 製作会場
 共立電子産業 本社1Fセミナー室

会場の様子
 会場の様子

 春休みということもあり、小学生の参加も含めて大々盛況の満員御礼。初日の会場は定員オーバー状態で溢れ出してしまいました。作業中はどうしても部材や部品類などを広げますので、ある程度のスペースが必要なのですが、3人掛けの机をフルにしてもはみ出して、ハンダ吸い取り器などの共用スペースまで使う状態になりました。とにかく、大人気です。

 今回は小学生がBTLオーディオアンプ「MOAMP-7056」の製作にチャレンジ。ハンダづけが初めてという子供もちゃんと鳴らして完成していきました。一人がUSBバッテリー電源(5V)を使ってモノラルアンプを鳴らしていましたが音が小さいとの事でスタッフのアドバイスを受けながら前置のアンプを追加し、電源電圧をもっと高い電源(ACアダプタ)にして追加・改造していました。
 TDA7056を使った3Wアンプでギターアンプのキットにも使われています。このデバイスは一応4.5Vから動作するので5Vを給電しても動作するのですが、3Wという定格は12Vの電源を突っ込んで初めて得られる出力ですので、電源5Vでは出てくる音も小さく、入力を前置アンプで増幅しても信号レンジが狭いためサチュレーションを起こしてちゃんとした音になりません。
 前置アンプとキットのパワーアンプ部ともに12V電源にして解決。

 その他、やはり人気のフルデジタルアンプを作る方が必ずいらっしゃいます。さらにもう一つの人気キット(?)がハイエンドヘッドフォンアンプの改造版。どちらも毎回製作される方が必ずいらっしゃる人気キットです。

アップサンプリング
 アップサンプリング・デジタルオーディオ

 雑誌などで特集が何度も組まれているPCデジタルオーディオ関連は独立実験基板で組み上げるとかなりの手数が必要なため連続参加で着々と進めていらっしゃいます。

WP-9204USB-DAC
 USB-DAC

 ワンダーピュアブランドでUSB-DACのキット(WP-9204USB-DAC)も根強い人気があり、製作されている方をよく見かけます。

CR型 RIAAイコライザ
 今月のフライング

 今月はRIAA CR型イコライザアンプが先行展示されていました。以外とレコードを利用している人が多いらしく問い合わせ・引き合いが多かったそうです。

 CRネットワークでRIAAカーブ補正後にOPアンプで増幅。MMカートリッジ対応だそうです。出力のコンデンサが巨大ですが、デモ機製作者の趣味ではないかと(笑)。
 MC対応にするにはさらに増幅する必要があるので、設計も実装もシビアになりそうですが、入力にMCカートリッジ用の昇圧トランスを入れればなんとか対応できそうとか。
 イコライザの部分、今回の製品はCR型ですが、NF型も検討していただけないでしょうかねぇ。動作的にはNF型の方がシビアらしいですが。

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