2012年5月アーカイブ

 塗装も終わり、やっと完成。

ディストーション
 ディストーション 
 デジット「ディストーション・キット」入り

 ディストーションと言えばBOSSのDS-1を連想するので、敬意を表してオレンジ色で塗装。回路のリファレンスモデルは黒い筐体なんですがね(笑)。
 塗装完了後に落としてしまい、すでに年季の入った状態になってしまいました。はぁ〜。

 今回は塗装の様子を写真に撮影しました。

塗装準備
 塗装準備

 塗装開始前に筐体の外側は耐水ペーパーなどで、かるく擦っておきます。また、開けてある穴の内側はマスキングテープで目張りして筐体内に塗料が回り込まないように対策を施しておきます。

プラサフ塗装後
 プラサフ塗装後

 金属筐体に塗装のノリを良くするためにプラサフ(サーフェイサー)を吹いてから塗装します。無くても大丈夫ですが、有った方がノリ・ツキが良くなります。筐体を浮かせるのにトイレットペーパーの芯を活用。我が家ではなぜかペーパー交換後の芯がトイレの中に山のように溜っているのです(苦笑)。使い終わればそのまま廃棄でき、お気軽なのと、塗る際の持ち上げ量がちょうど良いので使っています。
 ただし、失敗したのはこの後に白などで下塗りをしなかった事。オレンジ色や黄色は地色が中々隠れず(隠蔽性が低い)ためグレーのプラサフの色が透けて見え、何度も塗り重ねをしなければなりませんでした。

塗装中
 塗装中
 すでに3回塗り重ね後である

 上記に書いた通り、なかなか下塗りのプラサフの塗色であるグレーが透けて見えます。
 この手の色を塗る時はサッと白を下塗りするのがベターです。とほほ。

外した臓物
 外した臓物

 一度組上げていたのですが、塗装のために全部取り外し。
 ネジを外せばそのまま内側に外れる部品ばかり(ポッドやジャック類、スイッチ)なのですが、いつも困るのが電源ジャック。これだけは外側から入れて内側のネジで締め付けるため、ハンダ付けを行った配線を全部外さないと取り外せないのですごく難儀です。

ディストーション・基板無し
 基板無しの状態
 内部の配線はLED点灯の線以外は全てBELDENである

ディストーション・基板あり
 組み付けた状態

 一度取り外した部品類を再度組み付け、電源ラインのジャック周りを再度ハンダづけして配線をしなおします。面倒です。
 基板との接続は日圧のXHコネクタで接続なので、基板の脱着は大変楽です。

 とりあえず試奏したところ、相手に寄るのかやや発振気味のような気が。
 次回のオーディオキット製作体験会に持ち込み、他のギターで試奏して確認してみます。OKならば友人の所へ嫁いで行く事予定。

噴火しちゃうぞ

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 ドッカーン!

VOLCANO
 「VOLCANO」

 すぐ怒る人の事を例えて瞬間湯沸かし器と揶揄する事がありますが、怒号を発するような怒り方をしていると噴火していると例えられたりします。

 ローマ神話の火の紙「Volcānus(ウルカヌス)」に由来する英語のvolcanoですが、STAR TREKに登場する耳の尖った緑色の血液の流れる非情の(笑)宇宙人であるバルカン人の名前の由来だったりもします。
 日本でも富士山が噴火すると関東壊滅という話も有りますので、うかうかしていられません。

 でも、この看板というかディスプレイ、かなり派手です。噴火こそしていないものの溶岩だらだらの雰囲気満載。店の人が噴火しっぱなしという事は無いと願いたい所。

 寺社ではありません。

秘佛公開
 秘佛公開の看板

 ツーリング中に毎度見かける「秘佛公開」の看板。
 看板を上げているのは神社でも寺でもなくどう見ても建設系一般企業。

 公開したくてたまらない「秘佛」なのか「秘佛」故に公開をしているのかはサッパリ不明。本当の所を確認したい所なのですが、拝観料がいくらなのかとか、延々解説を聞かされながら見る羽目になるのかという恐怖感から未だ訪問することができず。
 かなりの心と財布の余裕ができたら行く「かも」しれません。一生行かないかもしれませんが(笑)。

涙の奇跡

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 号「雪舟」。涙で鼠を描いた逸話の残る日本画家です。

雪舟と鼠
 小坊主と鼠の看板

 雪舟の涙で描いたネズミの逸話からでしょうが、小坊主と白いネズミが描かれています。

 雪舟は画号で本名は小田等楊と言い、幼少のころに宝福寺に預けられ小僧の修行をしています。
 逸話というのはその宝福寺時代のおおむね次のようなお話。

 絵が大変好きな小僧さんだったようで、経を読まずに絵ばかり好んでいたことで腹を立てた住職が懲らしめに本堂の柱に縛り付けてしまいました。住職は忙しさにかまけて縛り付けていた事をわすれてしまい、夕刻に覗きに行くと足元に鼠がいるではありませんか。
 噛まれては大変と住職が鼠を追い払おうとしてもいっこうに逃げる気配がありません。
 よくよく見れば、生きた鼠と思ったものは雪舟が涙を使って足の親指で描いた鼠だったのです。
 その絵に感服した住職は以後、絵を描く事を戒める事が無くなったそうです。

 その逸話の鼠が居るように見えたシーンを看板にしているのでしょうが、どうも足元に居るのではなく、身体を這い上がっています。これは本当の鼠ですよね。

 で、何の看板だか忘れそうになったのですが、仏具店の看板だったのをやっと思い出しました。インパクトの有りすぎる、印象に残りすぎる広告というのは何を宣伝していたか忘れてしまうという良い例です。
 まあ、木魚が描かれていますので売りはそちらかと。

餃子が食べたい

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 いや、餃子の王将ではありませんよ。

ラーメンとチャーハン
 「ラーメンとチャーハンの店」

 大阪では良くあるのですが、屋号の看板ではなく商売の品物が看板に書かれて屋号無しというのが以外と多いのです。ご多分に漏れず、この看板も屋号無し、営業品目のみ。

 でもラーメンとチャーハンの店です。
 つい、ギョーザが食べたいとか、鶏の唐揚げが食べたいと思ってもメニューに無さそう。
 ある意味潔いのかもしれません。世の中、本当に餃子しかメニューに無い店も有りますからね。

食べてみて!

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 すごーく違和感のあるコピー。

インド料理店
 インド料理店

 インド料理店の屋号の横に不思議なコピー。

 「食べてみて!」

 なんとなく言いたい事は判るんですが、どうもしっくりと来ないのです。
 こう、スパッと切り込んでこない、ゆる〜いコピー。炭酸の抜けたコーラと言うか、辛く無いカレーと言うか、薬味の入っていないうどんというか、ぬるくなった煎茶と言うか、こう、どことなく足りない感がフツフツと沸き上がってくるのです。もどかしいというか、もやもやした雰囲気。

 「召し上がれ!」とかならまだツッコミ入れようがあるんですが(笑)、「食べてみて!」と言われると「う、うん。そうだね...。食べてみようか。」という迷いが残されたまま食べている自分が居そうです。

 ここはストレートに「ぜひお試しください!」というのが正解に近い近似解ではないでしょうか。
 異聞は受け付けます。

 ちなみに、このユルさ所以か、私が食べてみる間もなく、現在別のお店(やっぱりインド料理店)に変わってしまいました。

心配性かも

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 ちょっとこのカメラの設置は異様な光景です。

監視カメラ群
 監視カメラ群

 商店街の一角に設けられた監視カメラですが、設置場所に困っていたのか1カ所に固まって3台も設置されています。
 前も左右も監視しているぞ!
 と、正に睨みを効かせている状態で、犯罪抑制の心理的効果も大。

 ただ、ドーム型カメラではないので真下が死角なのが弱点かも。

通り抜け可

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 普通は禁止や不可を立看板にするはずなんですが。

立看板
 駐車場の立看板

 普通、駐車場と言えば立ち入り禁止や通り抜け禁止などの禁止事項の立看板がある場合が殆どなのですが、この駐車場のオーナーは心が広いのか「通り抜けできます」と。
 なんと寛容なのかと感心します。

 でも、通り抜けた第三者が事故を起したりトラブルを起した場合はもめる事間違い無しなんですが、そこは「責任を負いません」という事でしょうか。

 どちらにせよ、ダメダメの禁止看板に比べてホッとする立看板であることは間違いありません。

 夏だ!太陽だ!海だ!急げ〜!

345
 「345」

 「さん・よん・ご」ではありません。「さん・しー・ごー」です。子供です(笑)。
 同じ数字ですが以前の読みとは違います。

 よく見ると数字の上に英語が記載されています。
 小さな文字ですが、それぞれの数字の上に「SUN」「SEA」「GO!」とあります。

 そろそろそんな季節ですね。
 まぶしい太陽の照りつける暑い海にレッツゴー!

 まあ、このお店の屋号が冬になっても変化無しですので、年中夏なお店かも知れません。

 先日の製作体験会で製作したヘッドホンアンプが完動しました。

LM4881 HPA
 LM4881 HPA

 参考にさせていただいた記事をもう一度見直して完動しました。
 原因はLM4881のSHUTDOWN端子の処理。±1.5Vで電源を構成しているのですが、何を勘違いしたのかSHUTDOWNをGND(中点電位)に接続していました。結果として約1.5Vの電圧がSHUTDOWNに入っておりちゃんとした電位におらず、当たり前ですがちゃんと増幅しません。-1.5Vに接続しなおしです。
 その他、1カ所怪しいハンダ付けを修復し、やっと完動しました。

 今回、ヘッドホンアンプを作るのにポリシーとして以下の基準を設けていました。
 ・電源は単三×2本で構成。
 ・電池にeneloopが使える事。
 ・筐体に単三×4の電池ボックスを用い、その中に収まる事。
 
 006P×2で電源を構成する方が良い音の出せる範囲が大きいのは判るのですが、持ち運んでいる際の入手性を考えると絶対単三電池の方が有利です。また、使い続けるにあたって、NiH電池などの充電電池が使える方がコストパフォーマンス的に有利です。手持ちのeneloopを活用したい所なので、この2条件は大きいファクターでした。
 ケースもタカチのMX/MXAなどを使うとかっこ良いのですが、金属系のケースはそのままでは外からネジを外さずに内蔵した電池を交換できません。
 さらに持ち運びを考えると、小さく・軽くが一番です。携帯電話ですら胸ポケットに入れて移動すると肩凝りになるので、金属筐体なんてもっての他です。カバンもすでにそこそこ色々入っており、通常持ち運びが重たいのでさらに重量を増やしたく無い思いも有ります。

LM4881 HPA 内部
 LM4881 HPA 内部
 ボリュームはマルツのRD925G 10kΩ(A)
 ヘッドフォン入出力はマル信のMJ-074を使用
 電源は単三eneloopを1.2Vx2の両電源として使用

 電池の交換性を考えるとネジで筐体を開けないと交換できないケースはかなり鬱陶しいので、電池ボックスを改造して製作しました。4本入る部分を電極を移動させ2本のみ使い、残りの部分を削ってフラットにして基板を収めました。
 電源デカップリングは推奨だったOS-CON SEPC 2700μF/2.5Vを、ゲイン設定の20kΩ抵抗にニッコームの金属プレート抵抗RP-24を使用しました。部品数が少ないので多少、部品を驕っても大した事有りません。
 電池ボックスに付いていた電源スイッチは固定ピンごと取り払い、手持ちの3Pのスライドスイッチをネジ止めとしました。筐体に2mmφ穴を開けて2mmのネジを締めるのは苦行です。写真では判りませんが、しょっちゅう動かす部分でもあり、弛み止めのため1種ナットの手前にスプリングワッシャを入れて締めています。

LM4881N
 基板部分
 キーデバイスはLM4881N

 National Semiconductor社のBoomerオーディオアンプシリーズとしてリリースされているLM4881Nです。電源電圧3Vの場合、ヘッドホンなどの32Ω負荷、25mW連続平均出力でのTHD+Nは0.03%と優秀です。
 定格電源電圧が2.7Vからなので、eneloopを使うとちょっと足りませんが、ちゃんと鳴ってくれているので良しとしましょう。

 外付け抵抗でゲインの設定も出来、サーマルシャットダウン保護回路も内蔵しており、ブートストラップコンデンサも不要で外付け部品が少なく、ポータブル機器として利用しやすいデバイスです。参照サイトの回路図を見れば判ると思いますが、いわゆる一般的な8pinオペアンプとはピン配置が全く違いますので配線時は注意が必要です。

 今までヘッドホンアンプについて、けっこう懐疑的だったのですが、使ってみて納得です。
 iPodの出力につないだだけだと出てこない音が鳴ります。内蔵出力アンプとの差でしょうが、同じ音量で聴いていても、終段の駆動力があるせいか低域がしっかりと鳴ってくれ、小さなインナーイヤーヘッドホンで音量を絞っても迫力のある音を楽しめます。下手なバスブーストをする必要は全く有りません。
 あくまでも感覚的では有りますが、小さなヘッドホンで聴いても低域から高域まで、かなりフラットな聴感です。
 
 部品点数は限りなく少なく、大変製作しやすいヘッドホンアンプだと思います。ただし入出力にカップリングコンデンサが挿入されていないため信号ラインにDC成分があるとそのまま出力してしまいますので、出力を外部アンプにつなぐ場合は注意が必要です。
 全部のパーツ代金2,000円程度でこの音が得られるなら充分価値があるでしょう。ただ、デジットのLM4881ヘッドホンアンプキットはプリント基板と実装部品まで含めて1,000円しかしませんので、そちらの方がかなりコストパフォーマンスが高いと思います。

 次のヘッドホンアンプを作らない限り(?)しばらく運用する事になるでしょう。

金環日食

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 大阪では7:28:32〜7:31:10の間でした。

金環日食2012
 金環日食2012

 遮光グラスなどは用意していなかったのですが、ちょうど雲間に隠れて肉眼でもカメラでもくっきりとリング状の太陽を見ることができました。
 大阪での食分は0.95とやや中心からずれてはいますが、ちゃんとリング状の光球を見ることができます。

 今回の金環日食の特徴は太平洋沿いの都市部を日食帯が通る事により、概算8000万人ほどが見る事ができるのではないかという観察する人数が大規模になる事です。日本で見る事の出来る次の金環日食は18年後の2030年に北海道地域で観察できますが、今回のような地域を通るのは300年ほど後との事。まあ、生きてはいませんね(笑)。
 部分日食では2016年3月9日、2019年1月6日、2019年12月26日、2020年6月21日とここ数年でも多数ありますので、今回購入した日食メガネは捨てずにおいておいた方が良いかと。

 そうそう、6月6日には金星が太陽面通過という天文イベントがありますので、それでも使えますよ。7:10から13:50ころに見ることができますが、こちらは絶対に遮光グラスが必要です。十分ご注意ください。ちなみにこの天文現象は次回は2117年。これも絶対生きていないでしょう(笑)。
 日本では幸運な事に、太陽面に入る第一接触から抜け出る第四接触までの全ての時間帯に太陽を見ることができます。

 また、太陽ではありませんが6月4日には部分月食もあります。その他木星食や金星食などもあり、2012年は何かと天文現象の多い年です。

何の店だ

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 この看板の第一印象をお考えください。

にんじん
 カフェレストラン「にんじん」

 屋号が「にんじん」。看板もにんじん(人参)。
 しかしながら八百屋に非ず、喫茶店なのです。

 神戸で何店舗かあるのでチェーン展開されているのでしょうが、喫茶「にんじん」というのはかなりインパクトのある屋号。看板も人参のイラストですし、パッと喫茶店と理解するのは難しいのではないでしょうか。

 人参料理がメインかというとそうでもなく。ただ、オムライス系とモーニングが充実しているようで、地元密着人気店のようです。

製作体験会

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 またもや参加させて頂きました。

製作体験会会場
 オーディオキット製作体験会会場

 19・20日と開催されているデジット主催の製作体験会へお邪魔いたしました。

ディストーション
 ディストーションキット

 今回はさくっと作れそうな、LM308AHを使ったディストーションのキットです。
 例によってキットは基板と部品のみ。ボリューム(ポッド)やケース、スイッチ、ジャックなどは別途そろえる必要があります。

LM308
 LM308AH

 メインのデバイスとなるLM308AHですが、ご覧の用にメタルカンパッケージです。
 リファレンスモデルではDIPのパッケージだったようですのでメタルカンのパッケージの威力を確かめることができそうです。

 ただし、実はこのキット、前回の製作体験会で曰く付きのキットなのです。
 上の写真は前回の製作会でお客さんの製作した基板からもぎ取られたデバイス。
 ハンダ付けの熱でやられて壊れた訳ではなく、部品の初期不良だったようです。初期不良というよりも側だけ同じで別のデバイスが入っているパチもんを納品されてしまったようです。
 昨今の偽造の粗悪部品の混入は世界中で問題となっており、話はたくさん聞きますが実際に部品に遭遇する事は珍しい体験。この後、店頭と在庫も含めて全てのキットに梱包されているLM308AHについて治具を作成してチェックしたそうで、不良混入率が1割程度あったとか。たまったものじゃあありません。信用問題に発展しそうな不良率です。
 まさか、受け入れデバイスを全数検査する手間をかける訳は行かず、納入業者の流通で入る部品を信用するしかないのですが、コピー品対策ではありませんが見た目だけですぐ判断できるのは困難です。とんだ災難な目に遭われたようで御愁傷様です。
 実際、正規のルートでもパチもんが流れてくる場合もあります(居酒屋ガレージさんでの例)ので対策は難しいですね。
 自分が担当者だったら溜息連発でモチベーションがゼロになりそうです。

 筐体加工と基板の製作、内部配線まで済ませたのですが、無塗装のままだと他のエフェクターと判らなくなるという利用者の声に納得。透明のシートにデザインを入れて印刷し、貼付けようと思いますので、完成はもうすこし後になりそうです。実機テスト・試奏も未だですし。

 結構このキットはいろんな方が改造記事を出しているようで、Landgraff Dynamic OverDriveへのMODが静かに流行っているみたいです。価格も安いですし、手を出しやすい事もあるのでしょう。

 今回はちょっとキットとは違うものを製作しました。

LM4881 HPA
 LM4881 HPA
 半完成状態である

 デジットではLM4881を使ったヘッドホンアンプ(HPA)のキットを販売しているのですが、今回はサイズを小さくする事と違う回路を試してみたかったのであえてキットではなくデバイスだけデジットで入手して回路をユニバーサル基板で組上げてみました。
 ケースは単4電池×4の電池ケースを加工し、たのしく拝見させて頂いているnabeの雑記帳に掲載の「単3×2、LM4880/LM4881 ポータブルヘッドホンアンプ」の記事のDC直結アンプの回路を製作してみました。
 回路規模的には余裕で電池ケースに収まりますので、かなりポータビリティは高いと言えます。

 本来は電源が±1.5Vの正負電源を使うため、2回路の電源スイッチが必要です。
 その大きさのスイッチを押し込めないため、元々付いていた3P1回路のスライドスイッチをLM4881Nのシャットダウン機能を利用して電源スイッチの代わりに仕込む予定です。

 仮で試聴してみましたが、ちょっと不具合で音が小さすぎるのです。構成回路ではデバイスデータシート上にあるゲインを決めるRfとRiにデータシートと同じ定数である20kΩでニッコームを使用しています。電源デカップリングはOS-CONの2700μF/2.5V。
 LM4881は1チャネル200mWまで出力できるのはずなので、もっと大きな音で聞けるはずです。一応、音は鳴りましたがもう一度配線を確認する予定。

 今回の製作体験会は告知からの時間が短く、参加者が少なかったようです。
 しかしながら意欲的な製作に取り組む方々が参加されています。STEREO誌附属のアンプ基板を電源とともにわけありケースに収めた方が、USBデジタルインターフェースの製作に来られていました。他にも前回の製作体験会のフォローアップの方や、ヘッドホンアンプを製作される方、スピーカーエンクロージャーキットの組み立てなどなど、クラフトオーディオの世界に足を踏み入れた方やどっぷりの方々が参加されています。

 毎度ながら、会場の設営と撤収に製作時のフォローなど両日とも終日スタンバイして頂いているデジットのスタッフの方々には敬服します。
 この場を借りてお礼申し上げます。
 また、次回参加させて頂きます。

漢字表記

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 なかなか漢字表記を見る事はありません。

髪処「綺麗」
 髪処「綺麗」

 まあ、散髪屋さんなんですが、あえて厳めしい表記で。

 「キレイ」という言葉に対して「綺麗」という表記を使う事は滅多にありません。
 読めても書けないのではないでしょうか。漢字検定では出てきそうな漢字です。

 綺麗の字が示すように本来は「麗しい(うるわしい)さま」を意味する言葉であり、「美しい」とは完全に同義ではありません。「清潔」な意味は後から出て来たのではないでしょうか。
 ここは「美しく整っているさま」という意味で整髪店・理髪店の屋号に採用されたのでしょう。

 「綺麗」の文字がキレイかどうかはちょっと微妙ですけど。

PICkit 3

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 PICSTART Plusでは書込みし辛いデバイスが増えたため購入。

PICkit 3
 PICkit 3(単体)

 赤いです。本体も赤いし、USBのケーブルも赤い。
 おかげで黒かったPICkit 2に比べて3倍早い。か、どうかは別にして、実際デバイスのプログラミング時間は短縮されているそうです。

 ついでに開発環境もMPLAB IDE Xを検証中。
 ついにMPLAB IDEがMacOS Xで動くようになりましたので、開発環境として使っていたWindowsマシンとおさらばできるかもしれません。
 CコンパイラもHI-TECH社がMicrochipに買収されたたため、かなり制限の緩いHI-TEC PICCコンパイラのLite版もMacOS X環境で同じように使える状態になりましたので、Cでプログラミングするのも移行できそうです。
 ただ、Lite版という要因もあるのでしょうが、吐き出したコードを見る限りHI-TEC PICCよりもCCS PICCの方が良質なコードを生成しています。逆アセンブルしても追いかけやすいですし。

 まずはPICkit 3対応でデバイスの書込みアダプタを作らなければなりませんが、それほど気合が入らないので簡単にチャッチャと作るだけかもしれません。書き込み用にZIFの300mil対応40pソケットはありますので、8ピン、16ピンなどに合わせてPICkit 3のソケットを個別に作って、対象デバイスのあるソケットにPICkit 3を挿して書き込みするタイプのアダプタの予定。
 ケースに入れないといろんな物に混ざって行方不明になりそうなので、ケースも物色中です。

紛らわしい屋号

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 もう、いったい何が何だか、混乱させられます。

カレーヤ
 「カレーヤ」

 全然カレーショップでは無いのに屋号がカレーヤ。見た瞬間に立ち眩みしそうです。

 看板に堂々と「洋食」「中華」「丼物」「麺類」と記載があります。何でもアリです。でもカレーがメインでは無いのです。普通の下町の食堂なのです。オシャレとかセレブリティなんてどこ吹く風なのです。看板も醸されて時代と歴史の重みを示しているのです。どう見ても下に落ちて放置され草ぼうぼうの看板でも良いのです。

 もう、とことん、ずっとこのスタイルを貫いて欲しいと強く希望します。
 華麗なるカレーヤ、永遠なれ。

酔っていこう

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 ちょっとで済むのかどうかは微妙です。

酔っていこう
 居酒屋の看板
 気がつけば窓ガラスにNinja250Rが写っていた

 ついつい誘われそうなコピーです。
 「ほたら ちょこっと 酔っていこう。」

 「ほたら」が完全に大阪弁です(笑)。

 ホタラ(接続)
 そしたら。さようならば。
 ソウシタラ→ソシタラ→ホシタラ→ホタラ
 (牧村史陽 大阪ことば事典 第13刷 「ホタラ」の項より引用)

 シチ(質)がヒチに転訛するようにサ行がハ行になってしまい、ソシタラがホシタラに転訛した上で省略されてしまった例です。関西人には「ほたら、いきまひょか。」と言われても全然違和感なく意味が通じるのですが、関西人以外では多分、全く通じません。なんとなく判ってもらえるかもしれませんが、「ほたら」で「???」となるはずです。

 「ちょこっと」に描かれているのは猪口ではなく盃なのはご愛嬌でしょうが、絶対に「ちょこっと」では済まずに「ぎょうさん」とか「しこたま」になる可能性は大きい。
 危ない、危ない。あやうくハメられる所です(笑)。

驚きの巡り会い

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 流石に読めないと見たか、ふりかな付きです。

邂逅
 「邂逅」

 「邂逅(かいこう)」は思いがけない巡り会いとか、偶然の出会いを意味します。
 このスナックに入ると、思いがけない人との遭遇があるのでしょうか。

 もっとも店のスタッフが思いがけない(とんでもない)出会いになる可能性も否めません(笑)。

九州新幹線

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 開業して1周年、順調に利用率がキープできているようです。

九州新幹線
 N700系 7000番台
 JR西日本なので8両編成

 先般の播州赤穂へのツーリングの際に見つけていたお立ち台で撮影。
 東海道だと数分に1本の割合でバンバン新幹線が通過するであろうという予想より遥かに通過する本数が少ないJR西日本管内でした。ダイヤ未確認のため、写真の列車は「さくら」なのか「みずほ」なのかは不明です。

 九州新幹線の開通により、新大阪〜新鹿児島間が3時間45分で結ばれ、微妙に飛行機より長いものの、気軽に乗車・利用できるのは新幹線のメリットとしては大きいでしょう。

プチ兵庫県一周

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 ぼほ兵庫県を小さく一周した感じです。

播州赤穂
 JR播州赤穂駅

SunnySide
 バイカーズカフェ「Sunny Side」

 以前、スタンプラリーでお世話になったバイカーズカフェのSunny Sideを目指して出発。
 大阪からR43でひたすら走る。時間短縮のために月見山のあたりから第二神明に乗る予定が乗りそびれR2をひた走ります。
 曇り空もあって、全然気温も上がらずで12℃ぐらいしかありません。冬場の一番暖かい時間帯より寒いかもしれません。ガクブルです。肩と首が凝りまくりです。

 明石西・土山までひたすら下の道を走り続けましたが、さすがに加古川バイパスに乗って、さらに西にひた走ります。さらに姫路バイパス〜太子竜野バイパスを通って相生へ。相生で県道121号へ折れてR250で播州赤穂へ向い、目的地のサニー・サイドに到着。
 いかんせん、都会の一般道が多いため信号で停まる事が多く、時間の割に距離が稼げません。

 サニー・サイドでボリュームたっぷりのモーニングを頂いて、来た道で姫路まで引き返し、姫路城の横を通ってR312で北上。

生野駅
 JR生野駅

 銀山で有名な生野から朝来、和田山へ抜けてR9を少し走り、R423で遠坂峠を通って南下をします。青垣から春日和田山道路で氷上へ抜け、柏原〜丹波をR176で抜け、県道77号で篠山を抜けてR173・R372を通って能勢へ戻ります。なんのことは無い、いつもの逆回り。
 最後は野間峠を通って妙見山をかすめ、忍頂寺から茨木へ抜けて大阪市内へ。

 約400kmも走っていないのですが、途中の寒さもあったせいか、ぐったりします。
 やはり都市部を抜けるのに一般道を利用するのは疲れます。ただ、ETCを搭載していないので高速道路を走るのもためらわれるのも事実。車に比べて割高感があるので敬遠がちなのもあります。
 R9などの信号の無い一本道なんかだと一般道でも遠くまで短時間で行けるのですがねぇ。

 兵庫県南部を岡山の手前まで進み、その後北上、西へ戻って大阪府に入るというルート。瀬戸内海は見ましたが日本海は見ていないのでちょっと小回りの兵庫県一周でした。

切実な願い

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 相当苦労されているようです。

お願い
 お願いの貼り紙

 立ち寄ったコンビニの洗面所をお借りしたときに見つけた貼り紙。

 相当な被害というか後始末に追われていらっしゃるのでしょう。かなり切実な様子というか悲壮感が伺えます。

 呑み屋ですら、洗面所での手をあらう部分でのリバースは禁止なのですが(便器にするべき)、店内に呑む場所すら無いコンビニのトイレでこの貼り紙というのは、かなりな状態。
 近くに馬鹿騒ぎ系の呑み屋があり、そこから流れてくる客が吐くのかもしれませんが、それにしても相当な数の被害に遭わないとここまでに至らないと思います。

 この貼り紙で一件でも少なくなる事をお祈りしております。

片手は難しいが

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 まったく意味不明な屋号看板。

デトロイト
 「両手で作る・・・デトロイト」

 この屋号を見ても何の商売をしているのかサッパリ不明であることは疑いの余地はないでしょう。もう、本当に、さっぱりわからん!

 実はパン屋さん(大阪人は「〜さん」と「さん」付けする)なのですが、どうして「両手で作る」が強調されるべき点なのかがよく分りません。逆に片手で全部作る方が相当難しいというか無理な気がしているのですが、なぜあえて「両手」を強調するのか。まさか足を使う場合があるのか。機械ではない事を強調するなら「手づくり」とするはずですし。
 とにかく理解に苦しみます。

 ほな、ちょっと泊まってみまひょか。

とまり家
 民宿「とまり家」

 「泊まってってやぁ」よりもちょっと威圧的な「泊まりや」。いや「とまり家」です。
 「とまり」が「泊まり」なのか「留まり」や「止まり」とか、「停まり」でもなくひらかな表記なのが微妙です。

 大阪的看板なら「ええ宿おまっせ!」とか書き足されているに違いありません(笑)。
 手書きと思われる看板で充分インパクトはあるんですがね。

脅威のベンチ

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 街中にこっそりとこんなベンチがあると怖いじゃないですか。

大人になります
 大人になるベンチ

 なんともはやウィットなベンチです。
 「ここに子供が座ると、将来大人になります」
 と、あります。まあ、無事育てば将来大人になるのは当たり前なのですが、ちょっとニヤっとしてしまいます。すでに大人になっている人が座ると、どうなるかは判りませんので座っていません(笑)。

性別が入れ替わる
 性転換するベンチ

 こちらはちょっとブラックなベンチ。
 「ここに座ると、男が女に女が男に変わる事が時々あります」
 と、あり、座ると性転換されてしまうらしいです。
 私は怖くて座れませんでしたが、ちょっと入れ替わってみたいという冒険をしても良かったかもしれません。

 他にも、男性にはあまり魅力的ではない「このベンチに座ると美人になります。」(当然、美人は座る事がないのである)とか、「このベンチに座ると楽しい事がきっと訪れます。」(まあ、このベンチがすでに楽しいのですが)とかありました。
 街角のパフォーマンスアート作品ではないかと思いますが、なかなか面白い事を考えてくれます。

 そうそう、なぜどのベンチにも座らなかったかというと、このプレートが思いっきりネジ止めで出っ張りがあり、服を痛めそうだったからなのです。「このベンチに深く座ると後悔することになります」というのはありませんでしたが。

吉祥天

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 なにやら怪しげな銘板が。

ラクシュミー イソ
 「ラクシュミー イソ」

 全く何がなんだか解らないのですが、ヒンドゥーのラクシュミーを掲げたマンション。イソが本来の屋号なんでしょうが、なんで「ラクシュミー」と付けたのかが謎です。

 ラクシュミーとはヒンドゥーの女神の一柱で、最高神ヴィシュヌの妻だそうです。
 日本では仏教に取込まれて「吉祥天」となりましたが、毘沙門天の妃とか妹ともされる場合もあり、毘沙門天の脇侍にされていたりして、なかなか混乱しています。

 元のラクシュミーも吉祥天も福徳の神様として祀られており、特にラクシュミーはその美しさを述べられている事も多いので、美人専用マンションという括りかもしれません(笑)。

 どちらにせよ、謎めいたマンションであることに違いはありません。

わからんやん

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 どうにも不明な屋号です。

みと家ん
 「みと家ん」

 水戸とは全く関係が無さそうな印象なのですが、関係あるのでしょうか。
 あるとすれば「水戸」と漢字表記しますし。

 そもそも読み方が全く不明なのです。「みと家ん」は「みとやん」なのか「みとかん」なのか、はたまた「みとけん」なのか。どれが正解なのか今もって謎のまま。
 考えると頭がぼーぅっっとしてきます。

二重螺旋

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 これはどう見ても二重螺旋ですよ。

アンテナ塔
 アンテナ塔
 どう見てもDNAの立体構造を模している

 先般のSPring-8一般公開日で車を停めていた駐車場の端にあったパラボラのついた電波棟。
 普通に昇降用のはしごはあるのですが、その周りのぐるぐるしたものがどう見ても二重螺旋。そう、DNA(デオキシリボ核酸)の立体構造を示しているようです。

 さすが、「播磨科学学園都市」である光都の中にある施設というデザイン。

 残念ながら二重螺旋の架橋部分に足を掛けて昇降することは無理なようです。

 一番新しい施設SACLA。名前が和風です。

 XFEL(自由電子X線レーザー)は原理的には解っていましたが、実際に施設として運用できるスケールかつ実用になるレベルの強さの光が出せるかとなると別です。

パネルセッション
 パネルセッション

 各国のXFEL施設の対比表が掲出されていました。
 まあ、この手のアピール点として自分たちの目立つ所を目立つように表現するのですごく良く見えます。はやぶさの場合と同じで少ない予算でこじんまりとしつつ、目的を達成して実現してしまうという日本のお家芸的な印象があります。

 実際に米国のLCLSの後発ということもありますが、全長が最も短く、加速エネルギーが一番低く、なおかつレーザー波長が最も短い(高エネルギー)、さらにお安く仕上がっております(笑)。いや、感心しますよ本当に。

光源棟
 光源棟

 加速器部分(加速器棟)を見学できなかったのですが、光源棟の中は公開されていました。
 実際に機器が設置されているのは現状は中央のラインのみで、今後徐々に設備が設置されていくようです。
 奥の方に黒っぽく小さく写っている機械の固まりのような物がXFELのための真空封止アンジュレータです。

ビームダンプ
 ビームダンプ

 不要になった電子塊はビームダンプで破棄されます。
 ビームダンプに落とすための偏向電磁石が置かれていましたが、これもまたやっぱり巨大な電磁石でした。

実験研究棟内部
 実験研究棟内部

 やはりここも巨大な空間を構築するターゲットの置かれる場所。這い回る電線の太さと数が強烈です。

SACLAからの入射点
 実はSACLAのXFEL用の高品位電子ビームをそのままSpring-8に入れるための追加施設を施工中で、上の写真はSACLAから来たXFELの電子ビームをSpring-8のシンクロトロンへ入射するための入口です。
 まだ、設営中のためSACLA側からの受けを作っている段階のようです。

オマケ

電源とモータドライバ
 ラック中の電源ユニットとステッピングモータドライバ

 SPring-8で恒常的に使われる規格化された電源とステッピングモータのドライバと思われるユニットですが、SPring-8ロゴが入っていました。よく見るとあちこちの電源ユニットが全てこのタイプ。単一規格で大量に発注しコストダウンと、可換性を高めるようになっているのでしょう。

 それにしても最短波長0.6オングストロームでの位相の揃ったレーザー光というのは、大きな期待を抱かせてくれます。現在の反射鏡を用いて励起・増幅するレーザーがX線では出来ませんでしたので、XFELの意義はかなり大きいと言えます。SPring-8は放射光ですのでインコヒーレントな放射光であり、XFELではコヒーレントな光であるからこそ利用できる(観察できる)事象が拓けます。

 また、SACLAの立ち上げが非常に短い期間で発振へと至ったのは、担当した技術者たちがSPring-8の構築で遭遇した数々のトラブル解決の経験を活かして、ほとんどトラブル無しに当初の目的レベルに達成できた事も大きいそうです。
 当時SPring-8構築時に訳も解らずに現場に放り込まれて次々と発生する難題を四苦八苦した経験が役にったったとの事でした。トラブルになりそうな事象を回避しながら設計・施工出来たのは非常に工期短縮に繋がったそうです。技術の蓄積というのは大きいという事ですね。

 SACLAの解析データは膨大で、TB(テラバイト)単位になるそうです。
 これも理研の施設で世界最高速の性能を出した「京(けい)」へ高速ネットワークを経由して送信し、その処理性能を活かしてデータ処理を行う計画だそうです。

 様々な基礎研究・応用研究を行う施設が有機的に結合して運用され、新しい知見を得る事ができるよう期待します。

 兵庫県立大学(旧姫路工業大学)の設置した隣接施設であるニュースバル(New SUBARU)です。

ニュースバル放射光施設
 ニュースバル放射光施設
 エントランス

 SPring-8の線形加速器(Linac)で1GeVに加速された電子を用いて放射光を利用している隣接施設です。
 高度産業科学技術研究所および兵庫県立大学によって利用・運営されており、SPring-8に比べて、より学際領域・研究領域的な利用がなされており、11mの長尺アンジュレータを用いたビームラインを含めて、全部で11本のビームラインが設置されています。また、入射は1.0GeVですが、蓄積リング中で加速を行い、最大1.5GeVまで上げる事も可能です。

蓄積リング
 蓄積リング
 銀色の外装がある部分が蓄積リング筐体

 残念ながら時間不足で見学ツアーに参加できなかったため、蓄積リングの詳細は見る事が出来ませんでした。
 蓄積リングは周長118mのレーストラック型で加速周波数は499.955MHz、パケット数は最大198個のバンチを扱うことができます。パケット管理はSPring-8の手法を取り入れているため、絶対番地管理も可能です。

ガンマ線ビームライン
 ガンマ線ビームライン(BL01)

 蓄積リング内の電子にレーザー光を照射することでコンプトン散乱ガンマ線を発生させ、陽電子と電子の対生成、核変換のほかにガンマ線非破壊検査等への応用研究を行っています。
 検出装置に極低音に冷却したゲルマニウム検出器のほか、測定時のセンサー周辺のバックグラウンドを遮蔽するための鉛ブロックなどが置かれた部屋を新設中だったようです。

極端紫外線露光研究開発センター
 極端紫外線露光研究開発センター
 2010年10月に開設

 ニュースバル内に次期半導体リソグラフィ技術として基礎研究が進められている極端紫外線(EUV)露光を研究する開発センターが設置されています。レーザー励起X線光源を用いて干渉露光を利用し、10nmクラスのレジスト開発、マスク技術、評価技術などの開発を目指しています。
 極端紫外線露光リソグラフィー(EUVL)では半導体の製造にインテル社が導入を決定し、各国がしのぎを削っている状態です。ここで例によってですが材料系に強い日本の企業が幅を利かせており、マスクでは100%、レジストでも70%の占有率を誇っているそうです。

世界初のEUV露光装置
 世界初のEUV露光装置(BL03)

 兵庫県立大学および高度産業科学技術研究所と、Selete(半導体先端テクノロジーズ:解散済)、出光興産、三菱瓦斯化学、東京応用化学工業、日産化学工業などの企業複合体とともにEUVA(極端紫外線露光システム技術開発機構)を含めて共同研究を行っています。
 写真はEUV干渉露光による世界初の露光装置。

産業用分析ビームライン
 産業用分析ビームライン(BL05)

 ニュースバルの放射光光源の特徴となる軟X線領域に特化したXAFS(X線吸収微細構造)測定などの分析専用ビームラインです。
 物質や材料を構成する元素の化学状態や結合状態、隣接原子との距離などが解析できます。
 産業用と銘打っていますので、測定代行受託も行っており、積極的にアピールしているようです。

オマケ

 SPring-8が共用で大型の利用施設であるのに対して、こちらはかなり大学の実験室の延長の雰囲気が濃いイメージでした。実際にプレゼンターは担当をしている教授の方々などが解説をして下さっていましたし、物の置き方が大学の実験室さながらで(笑)。

施設の内の物置
 施設の内の物置

 理研やその他の企業を含めた専用・共用ビームラインを運営し、かっちりとした運営を行っているSPring-8に対して、いろんな事をチャレンジして行く場所としての学際領域的場所として提供されているニュースバルの差だと思われますが、このグチャっと感に妙に親近感を覚えるのはどうしたものかと。

 SPring-8の花形、蓄積リング棟とビームラインです。

ビーム入射点
 電子ビーム入射点
 手前側が蓄積リングで向こう側がシンクロトロンからのビーム

 シンクロトロンからSSBTを経由してやってきた電子ビームはここで蓄積リングに入射されます。

 蓄積リングという名前が付けられていますが、基本はシンクロトロンと同じで偏向電磁石と加速空洞などから構成されていて、シンクロトロンとの違いは放射光を取り出すためのアンジュレータなどが所々に挿入されている点です。
 蓄積リングは一周1435.95mあり、その電子ビームを通すパイプ中をほぼ光速に近い電子が周回します。
 SPring-8ではバンチ(電子塊)をRFパケットと呼んで管理しており、その総数は最大で2436個置くことができます。これらのRFパケットは非常に精密に制御された同期システムにより、絶対番地管理が可能となっており、任意のパケット位置にパケットを挿入する事もできるそうです。

加速空洞
 加速空洞

 リングを周回する蓄積電子の寿命は様々な要因で決まります。周回するだけでビームを曲げられるのでそこでエネルギーが放射光になりますし、ビームライン向けアジュレータによる放射光などでもエネルギーは失われます。それらを回復し8GeVを維持回復するために蓄積リングでは4カ所の加速空洞が設置されています。共鳴周波数はシンクロトロンと同じく508.58MHz(正確には508579360Hz)です。

 ここで光速をこの周波数で割ると波長一つの長さが算出できます(58.95cm)。RFパケットはこの間隔で置かれ、2436個置けるとありますから2つの数字を掛けると1435.95mとなり、これが蓄積リングの周長となります。蓄積リングの大きさはこの加速空洞で使われる高周波の周波数を元に設計・算出されています。実際の大きさは建設費用との兼ね合いになりますが。
 ちなみに、シンクロトロンや蓄積リングでの8GeVで加速されている電子の速度は光速の99.9999998%だそうです。

アンジュレータ
 挿入光源(アンジュレータ)
 近接磁場は0.5mT(ミリテスラ)
 クリップやペースメーカー殖込みをしていると近寄れない

 蓄積リングでは直線に進む電子を曲げないと周回するリング軌道を保てませんので偏向電磁石を使います。この偏向電磁石により電子の進行方向が曲げられると、シンクロトロン放射により赤外線・可視光から硬X線までの幅広いスペクトルで放射光が接線方向に出てきますので、そこをビームラインとします。

 また蓄積リングでは直線部分があり、そこに挿入光源(ID)としてアンジュレータが設置されています。アンジュレータからは比較的スペクトルの狭い範囲で偏向電磁石よりも輝度の高いX線が放射され、研究に活用されます。

 挿入光源として6mのアンジュレータが34基、長尺のアンジュレータ4基、ウィグラーを含む偏向電磁石によるラインが24基と全部で62本のビームラインが設置されています(計画・建設中を含む)。
 うち、26本が共用ビームラインとして利用可能。専用ビームラインも一部が産業用専用ビームラインとして複数の利用者に提供しています。

アンジュレータの磁石
 アンジュレータの磁石部

 ご覧の用にアンジュレータは周期的に磁極を反転した磁石が並べられており電子の通路に垂直方向の交番磁場を生成します。ここを電子が通過すると磁場により軌道が水平方向に蛇行することで放射光が発生します。きわめて指向性が強く、ウィーグラーや偏向電磁石と違い、広いスペクトルを持たずに基本波とその整数倍の高調波成分を含む準単色光が放射されます。
 この放射光をビームラインに導いて、この蓄積リングエリアの外にある測定機器や実験機器で利用するのです。
 SPring-8では設計時に設定された長い直線部分(30m)に後から27mの長尺アンジュレータが設置され、通常のアンジュレータ(4.5m)よりもさらに数倍輝度のある放射光を得る事ができるようになっています。
 使用されている磁石は永久磁石でネオジウム−鉄ーボロン系の異方性焼結磁石で世界最強の永久磁石だそうです。

閉鎖扉
 閉鎖扉

 蓄積リング稼働中は強いX線が飛び交っているため、それを遮蔽するために蓄積リングエリア出入口の扉は写真の様に分厚い扉になっています。なにせ医用レントゲン写真のX線管からでるX線の強さの100万倍以上の輝度があります。漏れ出しても困りますし、カンタンに開けて入る事が出来ても困るため、こんなに分厚い扉となっています。

 扉の後ろにチラと自転車が見えていますが、実はこれは構内移動用の自転車。
 なにせ直径228m、蓄積リングで一周1436m近くあります。歩いて移動していると時間も体力も無駄に消費するため、構内では自転車が大活躍なのだそうです。
 構内移動は自転車で!てなこともアナウンスしても面白かったのではないでしょうか。

構内電話
 構内電話

 蓄積リングエリア内にある構内電話ですが、ご覧の通り黒電話(600型電話機)。
 X線の嵐の吹き荒れる中、現在のようなインテリジェントな電子回路満載の電話では持たないため、アナログ回線のための単機能電話を設置しているそうです。何せ、受動素子ばかりで構成されているので、そもそもが故障知らず。電話線からの供給電力で動作するため電源も要らず。まさにこのような特殊な場所にはうってつけと言えるでしょう。もっとも、アンティーク電話として市中では高い値段で売られている場合もあるようですが。

実験ホール
 実験ホール

 ビームラインから取り出された放射光を外部の実験機器で実験する設備が置かれているのがこの実験ホールです。
 共用のビームラインや管理用のビームラインも含めて現在62本のビームラインがこのように外に引き出されて利用・運用されています。

設置機器
 設置機器
 これはリガクのイメージングプレートX線検出器

 写真は実際にビームラインBL03XU(フロンティアソフトマター開発専用ビームライン産学連合体が利用)の第二実験ハッチに設置されていたリガクの単結晶X線回折装置であるイメージングプレートX線検出器のR-AXIS。たんぱく質などの高分子結晶にX線を照射して生じた回折像を元に結晶の分子構造を解析するための装置です。
 構造物性や、成型品の変形機構の解明などの目的に設置されています。

サーバラック
 サーバラック
 写真はSACLAの中にあったサーバ

 広大な敷地に散在する設備類をそれぞれ現地で制御したり観測したりしているとあまりにも移動の無駄ですので、基本的に全てリモートで制御しネットワーク経由でデータ収集を行うようになっています。
 各施設のあちらこちらにサーバがあり、それらを用いてデータのやり取りなどを行っています。

中央制御室
 中央制御室
 これはメインパネル前
 実際は施設ごとの独立したモニタがずらっと別に並んでいる

 収集したデータや機器の制御、状態監視などはこの制御室で全て行います。
 実際に蓄積リングへ電子が注入されて運用開始となると最長で1カ月程度も連続運転を行いますので、その間は交代制の24時間態勢で運用を行います。

 当日は制御室のメインディスプレイパネルの前で白衣やSPring-8の作業着の他、法被(高輝度放射光施設と襟口に染め抜きのある特製法被)を着て記念撮影をさせてくれていました。
 白衣というのは科学者のイメージのステレオタイプなのでしょうが、化学・医学・生物の実験時位ではないでしょうか。SPring-8ではどちらかというと作業着の方が合っているような気がしますが。

 SPring-8の意外な用途に地震の震動の波や太陽・月の朝夕効果による地球の変形に起因する蓄積リングの周長の変化が加速器の周波数の補正という数値になって表れる現象を観測しており、地球科学や宇宙科学の分野での応用が期待できるのではないかという研究報告もあるようです。
 カミオカンデが測定した超新星ニュートリノがニュートリノ天文学を拓いたように、蓄積リングを周回する電子ビームが精密測定器として新たな科学の観測手段を拓く事もあるやもしれません。

オマケ

 今回、SPring-8の一般公開日で昼食をとるのに施設内の食堂棟にあるカフェテリアで頂きました。通常はプリペイドカードを購入して清算なのですが、一般公開のため事前に食券を購入する形式です。
 私は流石に遠慮して注文できませんでしたが、隣の席の女子高生と思しきグループ(女子会?)が全員お子様ランチを注文していて、羨ましい状態。なにが羨ましいかというと、

お子様ランチ
 お子様ランチ(現物見本)
 ハンバーグ、エビフライ、コーン、ブロッコリー、ポテトフライ、ケチャップライス

 お子様ランチと言えばいろんな品がチョコチョコと入って大人の目から見ても楽しげなのですが、一番の特徴はご飯ものに刺さっているお子様ランチのシンボルとも言える旗。まあ、日本の国旗だったり、百貨店の食堂であれば百貨店のロゴだったりするのですが、ここはなんと新造施設であるXFEL(自由電子X線レーザー)のSACLAのロゴの入った旗が刺さっていました。
 まさに、この日、この場所でしか食べる事の出来ないお子様ランチです。

トレー返却所
 トレー返却コーナー

 食後の食器およびトレーはこの場所で返却します。
 この緩いカーブといいメカメカしい雰囲気がなんとなく蓄積リング棟を想像させるのは気のせいでしょうか。単なる設備の問題ではないような気がして仕方がありませんが(笑)。

 ビームラインを止め、各所の運転を止め、説明用の展示物を準備し、来場者のためのディスプレイ類やイベントを用意、さらには当日の交通整理など所員を含め、関係諸子の方々の甚大なる労力により快適に施設類を見学することができました。
 この場を借りて御礼申し上げます。
 時間切れで見る事が叶わなかった場所が多数あり、次回の公開でじっくり拝見させて頂ける事を期待しております。

 線形加速器(Linac)で1GeVまで加速された後は、シンクロトロンで8GeVまでさらに加速します。

高周波加速空洞
 高周波加速空洞(Accelarating Cavity)

 線形加速器と同様に高周波で電子を加速します。写真は実際に加速を行う加速空洞で、508.58MHzの共振周波数を用いて加速されます。先の線形加速器の周波数より低いため、導波管(銀色のダクト)はサイズが大きくなっています。

高周波加速空洞の銘板
 高周波加速空洞の銘板

 こちらの出力はちょっと控えめで、最大250kW。周波数こそ違いますが、これ1つで広域カバーの放送局出力並の出力を投入しており、シンクロトロンでは四カ所に設置されています。
 ちなみに8GeVに電子を加速するための加速電圧は18.2MV(メガ・ボルト)だそうです。

シンクロトロンのトラック
 シンクロトロンのトラック

 シンクロトロンは高周波加速空洞以外は、ほぼ円形のレーストラック型になっており、進んでいる電子の向きを変える青色の偏向電磁石(二極)とビームの形状を整えたり(収束・発散)する赤色の電磁石(四極)が交互に並ぶFODO構造と呼ばれる構成になっていて、収束・偏向・発散・偏向の組を1周期としています。
 シンクロトロンのリングは一周396.124mあり、このリングのパイプの中を電子が亜光速(!)で飛んでいる訳です。

6極電磁石
 6極電磁石
 写真の物は収束用

 シンクロトロンで加速される電子の持つエネルギーは完全に同じものばかりではなく、ある程度の帯域をもっています。そのため、個々の電子のエネルギー差で同じ磁場を掛けても良く曲がる電子とあまり曲がらない電子が出てきます。これは光の色収差と同じ現象で、その補正のために六極電磁石を用います。
 収束・発散のための四極電磁石と同じで、こちらも収束用と発散用があります。

電磁石カットモデル
 電磁石カットモデル

 見学者向けに、設置されている電磁石類のカットモデルが置かれています。
 大電流を流す事から、コイル巻線は内部に冷却剤を流すためのパイプ状になっています。
 ここで、それぞれの電磁石の諸元が記載されているのですが、一般的な感覚からかなり外れていると言わざるを得ない定格が記載されています。

偏向電磁石
 磁場の強さ:0.903T(テスラ)
 電流値:1500A
 重量:4500kg
 巻数:各極10ターン

四極電磁石
 磁場の強さ:15.0T/m
 電流値:535A
 重量:1050kg
 巻数:各極15ターン

六極電磁石
 磁場の強さ:225T/m2
 電流値:373A
 重量:140kg
 巻数:各極10ターン

(巻数はカットモデルから算出・諸元に記載はありません)

 ほぼ光速に近い電子の向きを曲げるために1500Aの電流を電磁石に流して磁場を発生させ、電子の進む向きを変えているのです。相対論的効果恐るべしとしか言いようがありません。日常生活では一般的に光速に近い速度で進む物体はあり得ないのですから、この馬鹿げた数字はまさにぶっ飛んでいると言えるでしょう。

偏向電磁石の電源ライン
 偏向電磁石の電源ライン

 その大電流を流すための電力供給ラインは既に電線ではなく、銅板となっていました。
 しかもプラス・マイナスの記載があるので直流です。この直流を作り出している電源の方が気になります。電源類や高周波加速空洞のマイクロ波発生部分などはこの上の階に設置されているそうなのですが、今回の見学ラインに入っていないため、どのような機材が設置されているのかは不明です。

ビームライン分岐点
 分岐点
 向かって左がシンクロトロンのトラックビームライン
 右側が蓄積リングへのビームライン

 ここでシンクロトロンのトラックを周回するか、蓄積リングへ投入するか、ビームダンプで破棄するかの分かれ道です。蓄積リングの利用状況などにより、線形加速器で加速、その後にこのシンクロトロンでさらに加速されても利用されないバンチ(電子塊)は避けられないようです。

 ちなみにこのブースターシンクロトロンではバンチの数(RFパケット)は672個置く事ができるそうです。

SSBT
 SSBT(シンクロトロン側)

SSBT区切り点
 SSBTの区切り点
 シンクロトロンから蓄積リングへのビーム輸送系の途中

 シンクロトロンから蓄積リングへビームを注入するための輸送系(SSBT)ですが、蓄積リングが運転中であっても、シンクロトロンへ入室できるように管理区域が別れています。単純に別れていると思いきや、実はこの扉の手前(シンクロトロン側)は日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)が施工、扉の向こう(蓄積リング側)は理化学研究所が施工しており、冷却系などを含めてすべてを分割しています。危険分散という建前よりも、単なる縦割りを実施したのだと思えますが。

SSBT
 SSBT(蓄積リング側)

 蓄積リングから外側に一本でも多くのビームラインを取り出すためにSPring-8では地下から蓄積リング内側に電子ビームを注入します。そのため、シンクロトロンのレベルは蓄積リングのレベルより9m下に設置されており、SSBTは71mの距離でこの高さを電子ビームが登って行く事になります。

上下方向の偏向電磁石(下)
 上下方向の偏向電磁石(下側)

上下方向の偏向電磁石(上)
 上下方向の偏向電磁石(上側)

 SPring-8の施設内で唯2カ所あるのが、この上下方向の偏向電磁石です。
 通常のシンクロトロンのトラックでは水平方向にしか曲げることはありませんが、SSBTが地下から蓄積リングへ立ち上って行くため、登坂上の始点と終点の二カ所にこの上下方向の偏向電磁石が設置されています。

 全長310mもの世界最長ビーム輸送系SSBTを抜けるといよいよ花形であるビームラインのある蓄積リングです。

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