激しい思い込み

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 年賀状や暑中見舞いと言った季節に合わせた便りと言う風習は良いものです。もちろん、クリスマスのグリーティングカードや誕生日おめでとうとか、卒業おめでとうなどのお祝いの便りももらって嬉しい郵便物の1つです。

【出した分だけ戻らない】

客「儂宛ての郵便物は、今日来ていないか教えてくれへんか」
局「では、お客様の住所とお名前をお願いいたします。」
客「いつも電話してるやから、覚えてるやろ?」
局「間違いが起こりますと、お客様にご迷惑がかかりますので念のため、お教え頂けませんでしょうか?」
客「しゃぁないなぁ。○○○3−2−1の△×や。」
局「では、一旦電話を切らせて頂き、お調べした後にご連絡させて頂きます。」
客「いや、待ってる。早よ、調べてくれ。」
局「かなりお時間がかかる場合がございますが、よろしいでしょうか?」
客「かまへん、ちゅうとるやろ。」
局「では、お待ち願います。」
(局内に当該あて所の郵便物があるかどうか確認します。もちろん、配達員が持って出てしまっている場合は、何通あるかははっきりとわかりません。大体局内をあちこち走り回って聞き回る必要があるため、10分で済む場合は少なく20〜30分位かかる事が多いそうです。)
局「お待たせ致しました。(まだ、待ってたん?すごい気が長いんや)。」
客「で、どうやった?何通来てた。」
局「お客様宛ての郵便物は、現在局で3通お預かりしており、配達させて頂く予定になっております。」
客「なに?たった3通??」
局「はい、配達員が持って出ている数は判りませんが、現在局の配達待ちは3通ございます。」
客「それはおかしい。そんなはずは無い!」
局「申し訳ございませんが、現在お届けする予定で当局にございますのは3通のみでございます。」
客「いいや、そんなことは絶対ない。○月×日に20人に手紙を出したんや。それがそろそろ返って来るはずやから、そんな少ない訳は無い!絶対おかしい!」
局「(え?ナニソレ?)と、申されましても、今届いておりますお客様宛ての郵便物は、申し上げました通り3通でございます。今日の到着便は夕方にもございますので、明日の配達分は今、申し上げる事はできませんが。」
客「明日あるかどうか今わかるんか?」
局「申し訳ございません。明日の配達分は今後の到着便もございますので明日にならないと判らないのですが。」
客「なんやそれは、わからんのか?」
局「はい、今ある分でしかお答えする事ができないのですが、ご了承いただけませんか?」
客「ほんまあかんな。」
局「大事な郵便でございましたら、出された相手様に出されたかどうかのご確認をされるのが確実かと思いますが、確認はお取りになられたのでしょうか?」
客「そんなことできへんから、そっちに聞いとるんや!」
局「出されたかどうか判らない郵便では、こちらとしても追跡もできませんので、申し訳ございませんが、お待ち頂くのが一番かと存じます。」
局「ほんま馬鹿やな!また明日かける。(と言うなりガチャンと切られる)」

 いや、調べるのも業務ですから贅沢は言いませんが、せめて「ありがとう」ぐらい言ってあげて良いのではないでしょうか。「ありがとう」という言葉は感謝を表す美しい言葉の中の1つで、互いに「ありがとう」の感謝の気持ちが古来からある日本人の精神文化として誇るべき文化ではないでしょうか。

 しかし、このお客さんは自分が返事をもらうに値する人物であるという自負があるのか、出された郵便には「到着すれば必ず、すぐに返事を書くものである」という思い込みがかなり激しくある様です。郵便は差し出した相手の時間を拘束せずに、都合の良い時間に読んだり返事を書いたりするものです。「今出ろ、すぐ出ろ、話があるんや!」とベルが鳴り続ける脅迫的な電話とは違い、相手を思いやるゆっくりとした時間の流れの中での風流な意思の通交のはずです。それに、郵便物が届くまでの日数は地域や配達局によって違い、絶対1日で届くものでもありませんし、ましてや郵便を受けた方の都合もあるはずですので、そんなにすぐに返事を出せない場合もあるはずです。
 出したら必ず返事が自分の思った通りに来るとしたら相当の自信家か、そうでなければ期限付きの脅迫の手紙かもしれません。来ない時に差し出した相手に出したかどうかの確認もせずに、届かないのも含めて全て郵便局のせいにされてはたまったものではありません。

 年賀状、暑中見舞い等の季節に関連した書状を送る時期には、かならずこのお客さんが吠えてくるそうで、困っているようです。きっとこの方からの郵便を受けている方々は、こんな事をする人だとは絶対に知らないのでしょう。知ったら返事を書かなくなるのでまた郵便局に吠えて噛み付いてくるのでしょうか。やっぱり迷惑な人です。

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このページは、なんぎが2005年5月21日 19:55に書いたブログ記事です。

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