電子ボリューム

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 いろいろ製作プロジェクトが並走していて全体が遅れていますが、また寄り道です(苦笑)。

LM1972M
 LM1972M
 SOP 20pinパッケージ

 秋葉原に行ったときに秋月で購入した電子ボリュームのNationalSemiconductorのLM1972Mです。
 最大78dBの減衰量とMUTE(100dB)の機能を持った2チャンネルの電子ボリューム。内部のレジスタを3線式シリアル通信で設定を行い、減衰量を2チャンネルそれぞれ独立に調整できます。

LM1972 シリアル通信
 シリアル通信の仕様
 詳細はTIの製品サイト中のデータシートを参照のこと

 MSBからアドレスとデータのあわせて16bitデータを送りだす事で、内部レジスタを設定できます。I2CやSPI通信とは異なり非常に単純な通信手順ですので、アセンブラでも十分作成できるでしょう。ただし、他のシリアル通信と同じく、タイミング制限事項だけ満足させるのに注意が必要です。

 シリアルデータはデータアウト端子があるため、クロックとラッチを並列に接続、データ線をデイジーチェーンで接続する事で複数のデバイスを3線だけで設定する事も可能です。

LM1972変換基板
 変換基板に実装
 両ピンタイプのピンヘッダでソケットに対応

 パッケージがSOP 20ピンであるため、そのままだと2.54mmピッチのユニバーサル基板に実装できません。今回はダイセンの20ピンICピッチ変換基板(D020)を使いました。一般的には28ピンの変換基板が多く出回っているのでそちらの方が入手性はよいと思います。
 ただ、実装すると余るピンがあるので邪魔な場合は基板を切り取る必要がありちょっと不細工なので、丁度のピン数をもった変換基板を採用しました。
 ICソケットに実装するためピンヘッダをハンダ付けしています。
20pinの600milソケットはありませんので、インラインのソケットピンを必要ピン数並べてソケットにして実装を行います。

 LM1972Mの出力は抵抗ラダーであり、25kΩ〜35kΩの範囲で変動するため、オーディオ出力にはボルテージフォロアのバッファアンプを接続するのが代表的なアプリケーション例としてデータシートに掲載されています。オペアンプはJ-FET入力のオペアンプが指定されており、オーディオ特性はこの出力のバッファ・オペアンプで決定されますので選定は重要です。データシートには「例えばLF412」みたいな事が書かれていました。
 いまのところ、OPA2134かLME49720あたりかと考えていますが、MUSES 8920というのもアリかも知れません。

 LM1972のためのアナログ系±6V正負電源と、デジタル系の3V、バッファのオペアンプ向けのアナログ回路用±15V電源が別途必要ですのでこちらもあわせて製作しなければなりません。
 もう、作る予定が立て込んできて一杯一杯です。って、自業自得なのですがね。

コメント(4)

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自分も電子ボリュームのICを購入しましたが、
何をどうしたらいいのかあまり理解出来ていない状態なので、
今後の記事を期待します。
余談ですが、中国の上海からこの書き込みをしています。
当地でも問題なくこちらのブログは見ることができます。
しかし、TwitterやFacebook、Yahooのブログは規制が掛かっていて、
アクセスすら出来ません。やはり共産圏の国ですね。
街並みとか、服のファッションとかは日本とそう変わらなくなってきているのに(~_~;)

上海に海外出張ですか。懐かしい…。水道の水が揚子江です。

開発の仕事で年の半分ぐらい現地滞在・作業監督したことがあります。当時はFTPでのアクセスが厳しい状態でした。なにせ彼の国ですからSNSは現在絶賛全面規制中です。

都市部でも再開発着手前の地域には昔の街並が残っている箇所もありますよ。本当に昔の様相ですけど。

電子ボリュームは内部のレジスタ設定で音量調整が基本です。左右の音量を変えることでバランス設定もできます。
基本部分は出来上がっているのですが、デバイスに書き込む環境(PICkit3での書き込み)が未だなので諸処の開発案件のテストできていません。もう少しお待ちください。

LM1973(LM1972の3ch版:DIP品があった)を「大声」で使っています。
特にややこしいことなく制御できてます。
「大声」回路では、減衰器ではなく帰還ループにこれを入れてアンプのゲインを可変しています。
http://homepage3.nifty.com/act-ele/koe/koe1.htm
(ページの一番下に現回路図)

LM1972は内部では3chの減衰量設定レジスタがあります。使わない3ch目はなんだと不思議に思っていたのですが、LM1973と共通ですね、きっと。
たぶん、LM1973はLM1972と同じチップで外部に引き出す線を3ch化しただけでは無いかと。なんとなくずるい気がするのですが(笑)。

LM1972のデータシートにも電子ボリューム以外に可変ゲイン(対数スケール)のアンプに使う応用例が出ていました。大声トライアルの機能ブロック図にある対数変換部に使われているのですね。お手軽対数圧縮で便利そうです。

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このページは、なんぎが2012年6月21日 12:00に書いたブログ記事です。

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